倉庫に大型シーリングファンを設置することにはさまざまなメリットがあります。また、ファン製品にはそれぞれ異なる特徴があるため、自社のニーズに合った製品を選択することも重要です。今回は、倉庫に大型シーリングファンを設置する有用性とおすすめの製品3つに付いて解説します。ぜひ参考にしてください。
倉庫でHVLSファンを使用する有用性
そもそもHVLSファンのHVLSは、High Volume Low Speedの略です。これは、大容量・低速の大型ファンを指します。HVLSファンを倉庫に導入することで、効率的な換気が可能です。製品によって造りが異なるものの、基本的には羽根が5〜6枚程度、長さが4〜7メートル程度の構造です。
倉庫の換気はエアコン運転でよいと考える人もいますが、エアコンは冷気・暖気で室内の温度を整えるのみであり、空気を入れ替える働きはありません。ここでは、倉庫にHVLSファンを導入するメリット・有用性について詳しく解説します。
空間内に気流を起こして風を生み出せる
通常のファンは小型の羽根を低速回転させることで風を送り出すため、基本的には複数台の設置が必要です。しかし、その場合は広い空間で大きな空気循環を起こすことは難しいです。
対してHVLSファンは大型・低速回転であり、小型ファンの10〜50台分の風量で大きく空気を動かすため、倉庫内のどこでも快適な風を感じられます。また、効率的な換気によって感染症対策にもつながるのがうれしいポイントです。
省エネ性能が高く節約につながる
HVLSファンが生み出す気流は、空調からの冷気・暖気を部屋全体に行き渡らせることにも役立ちます。冷気は足元に溜まりやすく、暖気は天井付近に滞留する性質を持つため、冷暖房のみでは部屋全体を均一な温度にすることが難しいです。
しかし、HVLSファンを導入すれば、空気の循環が生みだせます。これにより、倉庫内のどこにいても快適な温度で過ごせるため、夏場は高い設定温度で・冬場は低い設定温度で十分に冷暖房の効果を得られるようになります。
熱中症対策・品質管理などの効果も
倉庫内の環境で問題となりやすいのは温度・湿度管理です。倉庫の中が高温になりすぎると熱中症リスクが高まり、湿度が高すぎるとダンボールの胴膨れや取扱製品の品質悪化などが起こります。
HVLSファンは倉庫内の空気を撹拌するため、導入によって倉庫の湿度が上がりすぎたり、空気が淀んだりするのを防ぐことが可能です。適切な温度・湿度を維持することで従業員の健康を守れるのはもちろん、匂いがこもったり、結露・カビが発生したりするのを防止できます。
THE FIRST FAN
会社名 | 株式会社西田技巧 |
---|---|
住所 | 岐阜県美濃加茂市あじさいヶ丘1-5 |
電話番号 | 0574-28-7507 |
THE FIRST FANは西田技巧が手掛けるHVLSファンです。1台で工場用ファン50台分もの風量を送ることが可能でありながら、消費電力は扇風機3台分という省エネ性能の高さを誇ります。
THE FIRST FANはHVLSファンの中でも珍しい完全国産の製品であり、三菱電機のプレミアム効率モーター・インバーターを使用した高出力と、高い省エネ性が魅力です。
地震大国の日本でも安心して使用できるよう、震度7相当の自信に耐えられる耐震構造を実現しているのも日本製ならではのメリットのひとつです。ここでは、THE FIRST FANの特徴について詳しく解説します。
高性能と耐久性で長期間の使用が可能
THE FIRST FANは、ヘリコプターの羽根と同じ流体力学に則った形状が特徴です。先端がシェイプされた形により、空間全体に理想的な風を起こします。夏場は力強い風が肌に当たることで体感温度が4℃ほど下がります。
また、秋から春まではTHE FIRST FANの風によって天井に滞留する暖気を空間全体に循環させて室内温度を均一にできるため、1年を通して快適な空間を作れるのもうれしいポイントです。
さらに、THE FIRST FANは耐久性にも優れているのが魅力です。天井梁にストレートに力が伝わることから重心がブレず、安定的な稼働によってファン自体の長寿化にもつながっています。
THE FIRST FANは日本製であり、海外製の大型シーリングファンと比較すると小型・軽量であるため、クリーンルームや食品倉庫、氷点下15℃の冷蔵倉庫などにも設置できるのがうれしいポイントです。
スマイルファン
会社名 | 株式会社 五常 |
---|---|
住所 | 千葉県千葉市若葉区高根町1128-4 |
電話番号 | 043-228-3335 |
スマイルファンは倉庫や工場、体育館などの換気・熱中症対策に最適な大型シーリングファンです。小中学校や海上保安庁の航空基地、東京拘置所の武道場など官公庁を含むさまざまな施設に導入実績を持ち、これまで全国150か所以上に購入されてきました。
常に一定量の国内在庫を持つことから最短1週間での導入が可能であり、自社の修理部隊による設置が可能である点も魅力です。本社は千葉県ですが、日本全国どこでも設置できます。ここでは、スマイルファンの特徴について詳しく解説します。
独自のブレード設計で省エネ効果を実現
スマイルファンを冷暖房機と併用することで、電気料金を約30%削減することが可能です。スマイルファンには独自のファンブレードが採用されており、飛行機の翼と同じような形状を採用することで空気抵抗を抑え、羽根の下に強力な下降気流を生み出しています。
また、モーターの持つパワーのたった数%程度の出力でファンを運転できるため、低電力で十分な換気効果を発揮することが可能です。具体的には、扇風機60台分の範囲をスマイルファン1台のみでカバーできます。
大型シーリングファンは機体の大きさと風量のパワーから電気料金が高額になると思われがちですが、省エネ性能に優れたスマイルファンは最大電力1100Wであり、扇風機60台分の電力と比較するとわずか8%です。
1100Wはドライヤー1台分の電力であり、1日8時間を20日間稼働したと仮定しても、1か月あたりの電力は4,750円となります。
SD-FAN
会社名 | 株式会社 プレシード |
---|---|
住所 | 熊本県上益城郡嘉島町大字井寺250-9 |
電話番号 | 0466-47-9630 |
SD-FANは高品質・低価格の大型シーリングファンです。大型シーリングファンはほとんどが海外製品ですが、SD-FANは日本の施設で安心して利用してもらうことを目的として、制御部分を国内で設計・製造しています。
ベースは、台湾のHVLSファンメーカーであるAma Tech社の製品です。制御装置は1から設計から調達、組み立てまでをすべて国内で行うことで、信頼性を保ちながら中小企業でも導入しやすいコストを実現しています。
さらに、総アルミ仕上げで機器自体が軽量であるため、他社の半分の消費電力で利用可能です。加えて、ブラシレスモーターの採用と高強度アルミニウム合金の使用により、さらなるランニングコストの低減に成功しています。ここでは、SD-FANの特徴について詳しく解説します。
大型倉庫にも対応する圧倒的な送風力
SD-FANは航空力学に基づいて最適化された羽根の素材と設計により、自然で心地よくやさしい風を生み出すのはもちろん、低速回転でも力強い大風量を実現しているのが特徴です。素材には高強度のアルミニウムを使用しており、軽さ、滑らかな動き、安全性を確立しています。
SD-FANにはSD-FAN A-L・SD-FAN A-M・SD-FAN A-Sの3種類があり、毎分ごとの風量は10,900〜14,900立法メートルを誇ります。SD-FANの導入により空間全体に気流を生み出すことでエアコンの冷気・暖気を倉庫内全体に行き渡らせれば、エアコン2台で4台分の効果を得ることが可能です。
まとめ
今回は、倉庫に大型シーリングファンを設置することのメリットや有用性のほか、倉庫設置におすすめの大型シーリングファン3つの特徴や魅力を詳しく解説しました。倉庫でHVLSファンを使用することで、空間内に気流を生み出して温度・湿度の調整や換気対策に役立ちます。また、空調から出る冷気・暖気が倉庫内全体に行き渡り、冷暖房費の節約につながるのもメリットです。倉庫設置におすすめの大型シーリングファンには、THE FIRST FAN・スマイルファン・SD-FANの3つの製品があります。各製品はそれぞれで特徴やメリットが異なるため、複数製品を比較して自社のニーズに合ったファンを選択してください。倉庫に大型シーリングファンを設置したいと考えている人は、今回の記事をぜひ参考にしてください。