HVLS（High Volume Low Speed）ファンの導入は、広い体育館内の空気循環を効果的に改善し、快適な環境を提供する有効な選択です。しかし、ファン選びが適切でないと、その効果を最大限に引き出せません。今回は、学校の体育館に導入するHVLSファンとしておすすめの製品を3つ、詳しい機能とともに紹介します。
体育館でHVLSファンを使用する有用性
HVLSファンは、直径が大きく、低速で回転しながら大量の空気を循環させるファンです。これを体育館で使用すれば、広い空間で効率的な空気循環ができます。体育館は天井が高く、空気が滞留しやすい空間です。
特に夏場などは、暖かい空気が上部に溜まり、床に近い部分がムシムシとした状態になりやすい傾向があります。このような状況下で激しくスポーツをおこなうと、熱中症の発生リスクが高まります。
HVLSファンは大きな羽根で広範囲にわたってゆっくりと空気を動かすことで、天井に溜まった暖かい空気を下に送り、空間全体を均一に涼しく保てるでしょう。このように、冷房がない場合でも自然な空気循環によって温度を快適に保つことができます。
また、HVLSファンは非常に低速で動作するため電力消費が少なく、通常の空調設備と比較してエネルギーコストを削減できるメリットがあります。大きな空間全体を一気に冷やす必要がない場合、HVLSファンは空気の動きだけで体感温度を下げられるでしょう。
これにより、エアコンの使用を減らすか、エアコンと併用することで省エネ効果を得られます。他にも、HVLSファンで空気を循環させることは、湿気やカビの発生を抑制するのにも役立ちます。
体育館は時折換気が不十分なことがありますが、HVLSファンを使用することで常に空気を循環させ、空気の質を保ち湿気による建物や設備へのダメージも防げます。さらに、HVLSファンは夏だけでなく、冬にも有用です。
暖房を使っている場合、暖かい空気は上に溜まりやすく、床付近は冷える傾向があります。HVLSファンを低速で回すことにより、上に溜まった暖かい空気を下に循環させ、室内全体を均一な温度に保つことができます。
つまり、HVLSファンは、体育館のような広くて天井の高い空間で空気の循環を効率的に行い、冷暖房コストを削減しながら快適な環境の提供が可能です。
また、静音で長時間使用できるため、スポーツやイベント中にも最適です。省エネ性と快適性の両方を兼ね備えた有効な選択肢といえるでしょう。
THE FIRST FAN
| 会社名 | 株式会社西田技巧 |
|---|---|
| 住所 | 岐阜県美濃加茂市あじさいヶ丘1-5 |
| 電話番号 | 0574-28-7507 |
最初に紹介するTHE FIRST FANは、西田技巧が製造・販売する日本製HVLSファンです。工場用扇風機50台分の風量を送るパワフルさと、扇風機3台分というわずかな消費電力を実現していることが魅力です。
特に夏場の暑い時期は導入効果が著しく、体感温度を4℃、湿度を6%減らす効果があります。70%を超える高湿度下ほど顕著な効果が見込めるため、夏場に熱気がこもるような体育館の改善におすすめです。
工場や災害時の避難所となる体育館や公民館、オフィスなどでの使用を想定した設計で、密集空間にいる人々の脱水症・熱中症を防げます。また、快適な空間の実現にも有効です。
もちろん、THE FIRST FANの活躍の場は夏場だけではありません。秋から春までは天井の温かい空気を全体にめぐらせることで、一年を通して空間を快適に保ちます。
静音性能と強力な空気循環を実現
THE FIRST FANのアピールポイントのひとつは、強力な空気循環を実現しながら、業界最静音水準（40dBA）を満たしている点です。日常生活で静かであると感じられるレベルは、昼間で45dBA以下、夜間で40dBA以下となっています。
静音性の低いファンが持続的に騒音を出すと、長時間その音に晒されることでストレスを感じたり、疲労感が増したりすることがあるでしょう。静かなHVLSファンは、利用者が長時間快適に過ごせる環境を提供し、心理的なストレスを軽減することで、心身の健康に貢献します。
特に、運動中や休憩時間にもリラックスした環境を維持できることは大きなメリットです。また、全体的な利用者の快適さを向上させる効果もあります。これは、リラックスした空間作りにもつながり、利用者が長時間快適に過ごせる要素となるでしょう。
KALE FANS
| 会社名 | KALEFANS |
|---|---|
| 住所 | 中国・シンガポール |
続いて紹介するKALE FANSは、上海に本社をもつHVLSファンのメーカーです。環境にやさしく「クリーンなエネルギーソリューション」を掲げ、100以上の国での販売実績があります。ギアを使わないことでメンテナンスフリーを実現した「ユーラスIII Wシリーズ」などの製品を販売しています。
エネルギー効率の高い設計と静音性を両立
KALE FANSの製品特徴は、エネルギー効率の高い設計と静音性を両立していることです。ユーラスIII Wでは、ファン内部に永久磁石を使用して回転子（ローター）を駆動するPMSM技術を搭載しています。
永久磁石を用いることで、エネルギーのロスが少なく、より少ない電力で同じ回転力を得ることが可能です。これにより、電力消費を大幅に削減した、高いエネルギー効率を実現しました。
また、制御システムには高性能ベクトルおよび高周波キャリア技術を採用することで、ファンのスムーズな起動と、運転中の騒音の抑制も果たしています。
KALE FANSのHVLSファンによる自然なそよ風を受けると、汗の蒸発を促進し、体感温度の5～8℃低下が期待できます。また、スイッチでファンの回転を切り替えることで、夏場だけでなく冬場も快適に過ごすことも可能です。
SD-FAN
| 会社名 | 株式会社 プレシード |
|---|---|
| 住所 | 熊本県上益城郡嘉島町大字井寺250-9 |
| 電話番号 | 0466-47-9630 |
SD-FANは創業35年の日本の装置メーカー株式会社プレシードが、制御部分を国内生産・国内製造するHVLSファンです。海外製品が大半の大型シーリングファン市場において「国内利用者が安心して使えるHVLSファンをつくりたい」という社長の想いが、開発のきっかけとなっています。
SD-FANは、30以上の特許を取得している台湾のHVLSファンメーカー「Ama Tech社」の製品がベースです。他社製品と比べて、導入コストやランニングコストの低さ、モーターや電子部品の長期保証、アフター修理サービスの充実などに強みがあります。
簡単な設置とメンテナンス性の高さ
SD-FANは、ファンの心臓部である制御部品を国内設計・国内調達・国内組立していることにより、他社に比べて圧倒的にスピーディにサービス提供できることが売りのひとつです。
ファン設置まで最短納期2週間という短さが魅力で「すぐにHVLSファンを導入したい」という要望にも寄り添うことが可能です。また、部品に不具合が生じた際にも、迅速に対応できます。
海外製品の場合は、部品交換が必要な際には海外の倉庫からの取り寄せ工程が含まれるため、修理まで1カ月半程度かかります。しかし、SD-FANであれば国内メーカーの倉庫から顧客まで最短2週間での対応が可能です。
夏場の暑い時期にHVLSファンが故障すると、施設内の温度が上昇し、生徒や教師の不快感や熱中症のリスクを招く可能性があります。修理期間が短いファンであれば、迅速に復旧でき、活動や健康への悪影響を最小限に抑えられます。
まとめ
HVLSファンは、体育館のような広くて天井の高い空間で、空気の循環を効率的に行い、冷暖房コストを削減しながら快適な環境を提供します。THE FIRST FANは、完全日本製のHVLSファンです。1台で工場用扇風機50台分の風量を送るパワフルさと、扇風機3台分というわずかな消費電力を実現していることが魅力です。KALE FANSは上海に本社のある、世界100以上の国で利用されているHVLSメーカーです。PMSM技術により、エネルギー効率の高い設計と静音性を両立しています。SD-FANはファンの心臓部である制御部分を国内生産・国内製造したHVLSファンで、設置や修理がスピーディにおこなえることが魅力です。
