倉庫・工場の結露を防ぐ!湿度対策のポイントを解説

公開日:2024/10/17 最終更新日:2025/04/04
結露

結露は、カビやダニ、サビなどを発生させる原因となります。また、気が付いたとしても解消するのは簡単ではないと感じる人が多いでしょう。そこで本記事では、倉庫・工場内で結露を防ぐ方法を詳しく紹介していきます。結露が発生してしまう原因から解説しているので、結露でお悩みの方はぜひ参考にしてください。

結露が発生する原因とは?

結露とは、空気中に含まれる水蒸気が、温度の低い物体に触れて水滴になる現象です。日本は湿度が高い国のため、倉庫や工場内で結露が発生する可能性は年中あります。ここでは、結露が発生する原因を紹介します。

倉庫や工場内に結露が発生し悩んでいる方は、まずは原因から把握すると良いでしょう。原因を把握しなければ正しい対策がとれず、対策として導入した設備が無駄になってしまいます。

空調が行き届かないから

倉庫・工場内に空調設備があるにもかかわらず、結露が発生してしまっている場合は、空調が行き届いていないことが原因だと考えられます。倉庫・工場内の場所によって温度や湿度が違う場合や、一部だけにカビが生える場合には、空調が正常に作動しているか確認してみましょう。

フィルターに汚れが溜まっていたり、コンプレッサーが故障していたりする場合、空調設備は正しく作動しません。また、空調設備に対して、倉庫・工場が広すぎる場合にも十分な換気効果は発揮されないため注意が必要です。

空気の換気が行えていないから

空調設備がない場合は、倉庫・工場内の空気の換気が行えていないことが原因で結露が発生していると考えられます。十分な空調設備がないのであれば定期的に窓や扉を開け、空気の換気を行いましょう。

窓を開け定期的な換気を行っているにも関わらず結露が発生しているのであれば、窓の増設や空調設備の導入を検討することをおすすめします。面積が広い倉庫・工場は、窓などを開放するだけでは十分な換気が行えないので、注意が必要です

工場で結露ができやすい場所

工場内での結露は、外部環境との接点や設備機器の周辺、建物構造に起因する場所など、温度差が大きくなりやすい特定の箇所で発生する傾向にあります。そのため、これらの場所を正確に把握し、重点的に対策を講じることが効果的な結露対策につながるでしょう。

温度差が生じやすい外部環境接点

外気と接する箇所では、温度差による結露が発生しやすい傾向にあります。とくに外壁に近いエリアでは、工場内の温かい空気が外部からの冷たい空気と接触することで結露が生じやすくなるのです。

また、窓周りは外気温の影響を直接受けやすく、とりわけ冬季は室内の暖かい空気が冷えた窓ガラスに触れることで結露が発生しやすくなります。工場の出入り口付近も、扉の開閉による温度変化が激しいため、結露が起こりやすい場所です。

これらの箇所では、断熱対策や適切な換気がとくに重要となるでしょう。

設備機器周辺での結露発生ポイント

工場内の設備機器周辺も結露が発生しやすい場所です。冷凍・冷蔵設備の表面やその周囲では、設備から発生する冷気により周辺の温度が大きく下がります。この温度差により、空気中の水蒸気が結露として現れやすくなるのです。

また、配管やダクトの周辺、空調設備の吹き出し口付近でも温度差により結露が発生しやすい傾向にあります。こうした設備周辺では、適切な温度管理と換気が重要です。設備機器周辺の結露は製品の品質や作業効率に直接影響を与える可能性があるため、とくに注意が必要となるでしょう。

建物構造上の結露リスク箇所

工場の建物構造に起因する結露リスク箇所も存在します。天井や天井裏は、暖かい空気が上昇して滞留しやすい一方で、屋根は外気に触れているため温度差が生じやすく、結露の発生源となるでしょう。

反対に床面は地面からの冷気の影響で温度が低くなりやすく、室内の暖かい空気が接触すると結露が発生することがあります。さらに、換気が不十分な閉鎖空間では湿度が上昇しやすく、結露のリスクが高まるでしょう。工場内の気流を適切にコントロールし、温度むらをなくすことが重要となります。

工場内の作業エリアでも結露には注意が必要です。機械の稼働や人の活動が活発な場所では、熱や水蒸気が発生して局所的に湿度が上昇します。また、壁の断熱性能が十分でない場合、外気の影響を受けやすく、室内の暖かい空気が冷たい壁面に触れて結露が発生することがあるでしょう。

このような場所では、効果的な換気システムや除湿機の設置による湿度コントロールが不可欠です。適切な環境管理により、設備の保護と作業者の安全確保を両立させられるでしょう。

結露ができることによるトラブル

工場内で発生する結露は、さまざまな深刻なトラブルを引き起こす原因となります。衛生環境の悪化や従業員の健康被害、設備の劣化、そして重大な事故のリスクまで、結露がもたらす問題は多岐にわたるでしょう。

これらの問題は工場の生産性低下や経済的損失につながる可能性があるため、適切な対策が不可欠です。

カビの発生による衛生環境の悪化

結露が発生した箇所を放置すると、カビの繁殖を引き起こす危険性が高まります。カビは見た目の悪化や悪臭の原因となるだけでなく、アレルギー反応を引き起こすアレルゲンを発生させることで、従業員の健康に重大な影響をおよぼす可能性があるのです。

一度発生したカビは、環境が改善されない限り繰り返し発生するため、根本的な結露対策が求められます。カビの胞子が製品に混入すれば、製品の廃棄を余儀なくされ、企業の信用問題にまで発展しかねません

ダニや害虫による品質被害と健康リスク

湿度上昇にともなうダニの発生も深刻な問題です。とくにチリダニやコナダニの発生頻度が高く、室温20~30℃、湿度60%以上の環境で活発に繁殖するでしょう。チリダニは人体に対するアレルゲンとなることで知られ、従業員の健康被害につながる恐れがあります。

一方、コナダニは食品や医薬品を食害し、製品の品質を著しく低下させる恐れがあるでしょう。とくに食品工場や飼料工場では、製品への混入という重大な品質問題を引き起こす可能性があるため、徹底した対策が必要です。

さらに、工場内の湿度上昇はシロアリやゴキブリなどの害虫を誘引する原因となります。これらの害虫は機械設備や建物を損傷させるだけでなく、ダニと同様、製品への混入という衛生上の重大なリスクをもたらす恐れがあるでしょう。害虫は一度発生すると卵を産んで増殖する特性があるため、発生を未然に防ぐことが極めて重要となります。

これらの生物による被害は、一度発生すると対処が困難になる傾向があるので注意が必要です。ダニは低温環境下でも休眠状態で生き延びる特性があり、条件が整えば再び増殖を始めます。そのため、発生を未然に防ぐための湿度管理や定期的な環境点検が重要となるでしょう。

作業安全性への影響と事故リスク

結露による水滴は、工場内で重大な事故を引き起こす危険性をはらんでいます。床面が結露により濡れることで、従業員が滑って転倒するリスクが高まるので注意が必要です。

とくに、フォークリフトやカートを使用する作業場では、スリップによって積み荷の転落やほかの作業者への追突、車両の転倒など、より深刻な事故につながりかねません。作業者の安全確保の観点からも、結露対策は極めて重要な課題となります。

さらに深刻なのが、電気系統に関わる事故のリスクです。結露によってコンセントや電気製品が濡れると、回路のショートや部品の故障を引き起こし、漏電や発火の原因となる可能性があります。

とくに精密機械の場合、故障時の修理には多額の費用が発生するだけでなく、製造ラインの停止による納期遅れなど、事業運営に大きな支障をきたすことになるでしょう。最悪の場合、感電事故や火災など、生命の危険をともなう事態に発展する恐れもあるのです。

電気配線は屋根裏など目に見えづらい場所に設置されていることが多く、個別の防止カバーなどでは十分な対策が難しい場合があります。そのため、作業者の安全確保と設備の保全、事業継続性の維持のためにも、建物全体での包括的な結露対策が不可欠です。

設備・製品への深刻な被害

結露の発生は、工場内の設備や製品に多大な被害をもたらすことがあります。とくに機械設備や鉄鋼製品を扱う工場では、結露による水滴の付着がサビの発生を急速に促進させることになるでしょう。

金属部品のサビは湿度50~60%以上の環境下で発生しやすく、設備の部品が腐食すると交換が避けられません。さらに、製品本体にサビが生じた場合は廃棄せざるを得ず、とくに量産工場では多くの不良品が発生することになるでしょう。

製品への直接的な被害を防ぐため、保護シートによるカバーなどの対策が考えられます。しかし、大量の保管製品すべてをカバーすることは現実的ではなく、とくに出荷サイクルの早い工場では作業効率の著しい低下を招くことになりかねません。

そのため、結露の発生自体を防ぐための根本的な対策が求められます。早期に適切な対策を講じることで、製品や設備の品質を保ち、不要な廃棄や交換のコストを抑えられるでしょう。

建物劣化と経済的損失

結露は建物自体の劣化を引き起こし、長期的な経済的損失につながります。建材の種類によっては、結露による水分で内装が変形したり脱落したりする可能性があるでしょう。

とくに断熱材が腐敗した場合、シロアリの繁殖を招き、さらなる劣化を加速させる悪循環に陥る恐れがあるのです。建物にとって水分は大敵であり、一度建材が腐食すると、雨漏りなどの新たな劣化要因を引き起こし、建物の損傷は急速に進行していきます。

このような建物の劣化は、メンテナンスコストの著しい上昇を招くでしょう。結露による被害を放置すれば、最終的には大規模な改修工事が必要となります。早期の結露対策を実施することが、将来的な改修コストの削減につながるのです。

結露を防ぐための具体的な湿度対策

倉庫や工場内に発生する結露を対処せずにそのまま放置していると、カビやダニ、サビ、従業員の健康被害などを引き起こす原因となりかねません。ここでは、結露を防ぐための具体的な対策を紹介します。結露で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

定期的な換気を行う

最も簡単に行える結露の対策は、定期的な換気です。結露は、室内の湿度が高いほど発生しやすくなるため、換気を行い室内の湿度を下げられれば発生確率も下がります。

換気設備がない場合は、窓や扉を開放するなどの方法で換気を行いましょう。換気を行う際は、風の通りを意識して行うと効果的です。窓を開けても空気が循環しなければ換気の効果は得られないので注意しましょう。

除湿器を導入する

窓や換気設備がない場合、除湿器や除湿剤の導入を検討してみると良いでしょう。除湿器とは、名前の通り除湿が行える機械です。除湿器の魅力は、空調設備とは違い簡単に設置が行えることと、設置に大規模な工事が必要ない分費用が抑えられることです。

すぐにでも結露を対処したい場合は、除湿器や除湿剤の導入を検討してみましょう。なお、除湿剤は繰り返し使用できるものもありますが基本的には使い捨てのため、除湿剤を使用する場合は導入費用は安くてもランニングコストがかかる点に注意が必要です

HVLSファンを導入する

結露を防ぐために最も効果的な湿度対策は、大型のシーリングファンを導入することです。シーリングファンとは、大きなプロペラのような見た目をしている、天井に取り付けるタイプのサーキュレーターです。

大型のシーリングファンを天井に取り付けると倉庫・工場内の空気が循環するため、湿度と室温を下げられます。換気設備との相性も良く、既に換気設備があるけれど上手く換気が行えていないという場合には、大型のシーリングファンを導入し空気の循環を行いながら換気をすると換気効率が上がります

大型のシーリングファンを導入して湿度管理を効率化する方法については、次の見出しで詳しく解説しているので、ぜひそちらも参考にしてください。

HVLSファン導入で湿度管理を効率化する方法

HVLSファンとは、天井に設置するタイプのサーキュレーターです。サーキュレーターとは違いゆっくりと回転し、空気を循環させます。HVLSファンには、空気を循環させ換気効率を高める効果があるため、導入することで湿度管理を効率化することができます。

定期的な換気を行っているのに湿度が高くカビが発生してしまう場合や、換気設備があるのに換気が行き届かない場合には、HVLSファンの導入を検討してみましょう。

まとめ

本記事では、倉庫・工場内で結露を防ぐ方法を詳しく紹介しました。結露は室内の湿度が高いほど発生しやすくなるため、換気を行い室内の湿度を下げられれば発生確率も下げられます。結露が発生し困っている場合は、定期的な換気や除湿器、大型シーリングファンを導入し、倉庫・工場内の湿度を低く保ちましょう。結露を防ぐために最も効果的な湿度対策は、大型のシーリングファンを導入することです。大型のシーリングファンには、空気を循環させる効果があり、換気効率を大きく上げられます。本記事が、倉庫や工場内で発生している結露に悩んでいる方のお役に立てれば幸いです。

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特徴国産ならではの高い耐震性・安全性。工場扇50台分の風量を3台分の消費電力で実現!米国発北米ナンバーワンシェア製品を豊田通商が輸入総代理店として日本に導入消費電力は初代から30%削減達成!最新モデルは超薄型EVモーターを採用アメリカで50年以上産業メーカーとして実績のあるライトハイト社が手掛ける老舗日本メーカーの技術力とエレクトロニクス大国台湾の製品力とを兼ね備える
性能データ・体感温度4℃減(夏期)
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・3500m3の空気を5分で入れ替え
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・暖房費を最大30%カット
・1台で2000m2の空間をカバー
・通常運転時騒音40dB以下
・1300m2に風を届ける
重さ約127〜133kg
※羽の長さ、吊り下げ距離によって変動
111〜157kg(Powerfoil X4 Plus)135〜210kg
※ファン直径7.3mの場合
136kg
※7mタイプの場合
58〜71kg
羽の素材アルミ合金 A5052不明アルミ記載なしアルミ合金
安全性・震度7相当の揺れでも緩まないスマートハイパーロードナットを採用
・重心がぶれず安定稼働が可能な特許技術
・電気系統を制御盤内に設置。有事の際、地上でメンテナンスが可能
・エレベーターで採用されている日本メーカーのモーターとインバーターを使用
不明耐用年数15年とされるエレベーターメーカーの製品を採用記載なし・本体を吊り下げるブラケットに軽量特殊素材
・放熱性に優れたヒートシンク
メンテナンス・保証・1~2年に1度のメンテナンス推奨
・羽部分は永年保証
・モーターの寿命40,000時間、インバーターの寿命10年
・窒素・合成オイルを密閉充填したギアボックスは定期メンテナンスが不要・メンテナンスフリー
・保証:モーター6年、インバーター3年、ブレード10年
※シーリングタイプ スマイルファン3EVの場合
・年間保守点検(安全定期診断)・原則メンテナンスフリー(3年に1度のメンテナンス推奨)
・保証:モーター20年、コントローラー・制御部品10年、ブレード10年
カスタマイズ、施工・建物や設置環境に合わせてオーダーメイドで取り付け
・羽の長さを6mまで選択可能
・吊り下げ最短距離:175mm
不明自社の工事部隊による施工が可能。注文確定から最短1週間で納品可能。
吊り下げ最短距離:350mm
上下場外物:300mm以上
羽下-地面高:3m以上20m以下
設置希望場所に梁が無い場合でも梁を造作工事し設置可能床から羽まで3m以上推奨
製造元株式会社西田技巧
岐阜県美濃加茂市あじさいヶ丘1-5
Big Ass Fans Company(ビッグアスファンカンパニー)
アメリカ合衆国ケンタッキー州レキシントン市
株式会社五常
千葉県千葉市若葉区高根町1128-4
米国ライトハイト社株式会社プレシード
熊本県上益城郡嘉島町大字井寺250-9
販売元同上豊田通商株式会社、豊通ファシリティーズ株式会社同上株式会社ジャロック
東京都中野区中央2-59-18 ジャロックビル
同上
問い合わせ方法メールフォーム、電話、FAX
TEL:0574-28-7507(平日9:00〜17:00)
メールフォーム、電話
TEL:052-777-5768(土日祝・年末年始休業)
メールフォーム、電話、FAX
TEL:043-228-3335(平日9:00〜16:50)
メールフォーム、電話
TEL:0120-70-3810(平日9:00〜18:00)
メールフォーム、電話
TEL:0466-47-9630(平日9:00〜18:00)
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