体育館は構造上熱がこもりやすく、夏場は熱中症を引き起こす危険性が高いです。そのため、築年数が古く、エアコンなどの空調設備が整っていないのであれば熱中症対策は必須と言えます。本記事では、体育館での熱中症対策方法を詳しく紹介していきます。簡単に行える対策方法から効果的な方法まで紹介するので、ぜひ参考にしてください。
学校における熱中症対策の必要性
学校での熱中症対策は非常に重要です。なぜなら、身体が小さな子どもたちは身体が大きな大人よりも熱中症になりやすいからです。ここでは、学校における熱中症対策の必要性について詳しく紹介していきます。
熱中症の危険性
熱中症とは、気温や湿度の影響で体温の調整ができなくなり体内に熱がこもってしまう状態のことです。軽度であれば立ちくらみや筋肉痛、頭痛、吐き気などで済みますが、重度になると意識障害を引き起こし入院の必要性が出てきます。
熱中症にかかると回復には時間がかかり、最悪の場合半年から数年の間後遺症が残ってしまうケースもあります。子どもたちは自分で体調管理を上手く行えないため、学校内では指導者の立場にある大人が熱中症にかからないよう適度な休憩や水分補給を行わせることが重要です。
学校での熱中症事例
日本スポーツ振興センターの調査によると、部活動での熱中症死亡事例は野球部が最も多く、次点でラグビー部、柔道部での事例が多いことが分かっています。
また、部活動以外の学校行事でみると最も死亡事例が多いのは登山で、時点でマラソン、長距離徒歩となっており、長時間身体を動かし続ける行事で死亡事例が多いという結果がでています。
熱中症発症率は屋外での活動時に多いですが、屋内だからといって絶対に熱中症にならないわけではありません。気温や湿度、日差しが強い場合は、熱中症にかかってしまう可能性を考慮して子どもたちの体調に気を配りましょう。
効果的な熱中症対策を紹介
学校内でも簡単に行える効果的な熱中症対策を紹介します。夏場のように気温が高い時期は、屋外だけでなく屋内での運動であっても熱中症になる恐れがあるため、必ず対策を講じるようにしましょう。
授業の途中で水分補給休憩を作る
最も簡単に行える熱中症対策は、授業の途中に水分補給休憩時間を設けることです。熱中症は、日差しや気温の影響で体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもって体温が上がることで引き起こされます。
授業の途中で水分補給の休憩時間を挟めば体温を下げられるため、積極的に水分補給休憩を行いましょう。休憩を行う際は、子どもたちに水を飲むように促すことが大切です。子どもによっては休憩を挟んでもまだ我慢できるからと水を飲まないケースもあるため注意が必要です。
服装に注意する
熱中症は服装からも予防することが可能です。夏場のように気温が高い時期は、長袖や通気性が悪い服は避け、半袖の体操着・ハーフパンツなどを着用させるようにしましょう。
また、運動中はマスクは避け、直射日光があたる場所で活動を行う場合は帽子を被らせることが理想です。マスクをしたまま運動をすると、呼吸が上手くできなくなる恐れがあるので注意しましょう。
気温が高い時は屋外での授業を避ける
屋外での活動は、気温の影響だけでなく直射日光の影響や地面からの照り返しの影響を受けるため危険です。気温が高い日や日差しが強い日は、できるかぎり屋内のような日陰になる場所で授業を行いましょう。
大型冷風機で熱中症予防が可能
熱中症対策のために設備を導入するのであれば、大型冷風機がおすすめです。大型冷風機とは、冷風を発生させられる大型の扇風機のような機械で、エアコンを導入するよりもコストを抑えて導入できます。ここでは熱中症対策に効果的な大型冷風機について詳しく紹介していきます。
大型冷風機とは
大型冷風機とは、大型の強い冷風を発生させる装置です。扇風機と同様に風を発生させる機械ですが、扇風機とは違い冷たい風を生み出すことができます。エアコンのように室温を低下させる機械ではなく、扇風機のように風にあたって涼むための機械です。
室内で使用しても室温を大きく下げることはできません。エアコンとの違いは、簡単に移動が行えることと、外での使用にも最適なことです。エアコンであれば室内から動かすことはできませんが、大型冷風扇であれば子どもたちの授業場所にあわせて移動させて使用できます。
使用時のポイント
大型冷風機は、中に溜められた水を蒸発させた際に生じる気化熱で冷風を発生させる仕組み上、閉め切られた室内で使用すると湿度が上昇してしまいます。
大型冷風機はエアコンのように室温を下げるものではなく扇風機のように風にあたって涼むもののため、動かす際は窓や扉を開け放ち室内に湿気がこもらないようにしましょう。
また、冷風にあたらないと涼しさを感じられないため、なるべく体育館内にいる子どもたち全員に風が届く場所に設置することが重要です。
まとめ
本記事では、体育館の熱中症対策について紹介しました。高温多湿時での運動は屋外、屋内問わず熱中症発症リスクがあります。子どもたちは自分で体調を調整することが困難なため、指導にあたる教員が適時水分補給休憩をとらせるなどの配慮が必要になります。学校内の熱中症対策には、強い冷風を発生させる大型冷風機が最適です。大型冷風機はクーラーとは異なり簡単に移動が行える点が魅力で、電源が確保できれば屋内だけでなく屋外でも使用できます。本格的な熱中症対策を検討する際は、大型冷風機などの設備の導入を考えてみましょう。本記事が体育館での熱中症対策に悩んでいる方のお役に立てれば幸いです。